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子どもと一緒に山歩き 燧裏林道を通って見晴へ。山小屋に泊まってみよう!

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 尾瀬といえば、尾瀬ヶ原や大江湿原に代表されるような、開けた大きな湿原のなかの木道歩きのイメージが強いですよね。でも、いくつもある道を組み合わせ、オーダーメイドの道程をつくる楽しみもあるんですよ。それぞれの目的や体力に合わせて、たくさんの尾瀬に出会えるのです。

 今回は御池から燧裏林道を通り、段吉新道を抜けて見晴で一泊。翌日、白砂峠を超えて、沼尻、沼山峠へ向かうコースを紹介します。

燧裏林道から見晴へ、そして尾瀬沼へ

御池駐車場から燧裏林道へ。

 福島県桧枝岐村の御池駐車場は沼山峠へ向かうシャトルバスに乗る人の車が多く泊まりますが、バス乗り場の反対側に入山口があります。この先は7㎞以上歩くまでトイレや水場はないので、しっかりと準備をして出かけましょう。

入山してすぐの道。
かなり広め。

 燧裏林道は燧ケ岳の北側の裾野をまいて通る比較的なだらかなコースです。人も少なくゆっくりと尾瀬を満喫できます。

 入山するとすぐ左手に燧ケ岳登山道分岐がありますが、これを超えて進むとすぐ御池田代があります。この先、姫田代、上田代、ノメリ田代、西田代…と大小さまざまな湿原が現れます(ちなみに田代というのは湿原のことです)。

 燧裏林道では樹林帯のなかにこうした田代が次々に現れます。コバギボウシやオタカラコウなどがみられる御池田代。見逃してしまうほど小さい姫田代。起伏を見せて広がる傾斜湿原の上田代や横田代。木々が茂り湿原らしくない天神田代。尾瀬ヶ原や大江湿原とは全く違う趣のある湿原です。

 上田代には休憩用のベンチがあります。ここでは天気が良いと平ケ岳や荒沢岳など越後の山々を望むことができます。

 横田代では上田代より傾斜が大きく、池塘が段状に並んでいるのがわかります。

 そして天神田代ではうっそうと茂る木々の間から燧ケ岳の岩稜と火口の跡を見ることができます。

 燧裏林道は静かな山歩きを楽しむことができ、歩を進めるたびにいろいろな風景を見ることができ、つぎつぎに感動が訪れます。とくに樹林帯はブナやドウダンツツジなど紅葉の美しい樹木が多く、9月下旬から10月上旬ははっと息をのむほどの美しさだそうです。広葉樹が多いので新緑の季節も素晴らしいですよ。ただし、木道は傷んでいるところがあったり、露や霜で滑ったり、ぬかるみがあったりと必ずしも道が良いわけではないので、十分注意して歩きましょう。

シボッ沢の吊り橋

 天神田代を過ぎると、吊り橋があらわれます。シボっ沢にかかる橋です。昔は少しの雨でも渡るのに苦慮したそうですが、この橋ができて安心して渡ることができますね。

 この辺をこえると、次第に山道になり、木道も一本だけになってきます。沢もたくさんあり、景色の変化を楽しむこともできます。日陰になっている場所では、新緑がまぶしい6月中旬でも雪渓があったりします。雪解け水でぬかるんでいる個所も多いので、足元のスパッツは必須です。

 そうしているうちに、段吉新道分岐に着きます。そのまま進めば比較的平坦な道のまま赤田代に到着です。ここに流れ込む水には鉄分が多く含まれているので、湿原全体が赤っぽく見えるんだそうですよ。

 時間と体力に余裕があれば、分岐を下っていくと、三条の滝、平滑の滝といった景観の違う二つの滝を見に行くのもいいでしょう。とくに三条の滝は雪解けの時期には水量が増し、ダイナミックな迫力があるそうです。ただ、結構な急坂やハシゴ、クサリ場などがあるので、子どもさんはとくに注意が必要です。十分な体力とちょっとした山登りの技術、サポートする大人が必要かなと思います。

 赤田代には温泉小屋があります。ここにはトイレや水場があるので、ゆっくり休憩しましょう。売店もあるので、頑張った子供たちにご褒美をあげてもいいかも。

 ここまでくると、背の高い樹木は減り、尾瀬ヶ原が見えます。周りの景色を見ながら見晴まで歩きましょう。

山小屋泊を楽しもう!

夕飯。おかずもいろいろ。

 見晴に着くと、そこには6軒の山小屋が集まっています。ここの一つに泊まるように予約を入れておいてくださいね。どの山小屋もそれぞれに趣向を凝らした食事が楽しめます。喫茶がある山小屋もあり、ピラフやコーヒーなどを楽しむこともできます。正面に尾瀬ヶ原を見ることができる弥四郎小屋には「弥四郎清水」と呼ばれる清水が湧き出ています。この水を汲んで自分たちで淹れるコーヒーもおいしいですよ!

 そして、朝のうちに御池を出ればお昼すぎには見晴に到着します。体力に余裕があるのなら、大きな荷物は山小屋に預けて、尾瀬ヶ原を散策するのもおすすめです。これまで歩いてきた景色と異なる「尾瀬らしい尾瀬」も堪能しましょう。

山小屋にあった「岳」を読みまくる…。

 尾瀬の山小屋はほかの山域の山小屋と違い、完全予約制です。よほど混んでいない限り、グループだけでの個室にしてもらうこともできます。石鹸や歯磨き粉は使えませんが、お風呂もあります!!たくさん歩いた後に汗を流せるのはとても幸せですね。湯上りのビールもおいしい!!(笑)

 山小屋では食事は食堂で、決められた時間に摂るようになります。どこの山小屋でもそうですが、食材を調達するのも大変な山のなかでの食事です。子どもたちもできるだけ残すことのないようにしましょう。

 山小屋に泊まる人が多く集まるので、子どもたちには多くの大人が声をかけてくれます。我が家は男の子ふたりなので、子どもだけでお風呂に行かせたのですが、一緒に入ったおじさんと仲良くなり、いろいろ教えてもらったそうです。出会いも楽しみのひとつです。

白砂峠を越えて沼尻、尾瀬沼東岸へ

 さて、二日目です。朝ご飯を食べて身支度を整えたら出発しましょう。

 尾瀬の朝は、霧が立ち込めて幻想的なことが多いです。運が良いと「白い虹」も見えるそうですよ。

山小屋の後ろ。秋はこんな感じ。

 見晴の山小屋群の後ろの森へ進んでいきましょう。背の高い樹林帯の中を進むとほどなく燧ケ岳での登山道への分岐があります。これを見送り前に進みましょう。

 このコースは尾瀬ヶ原から尾瀬沼へ抜けるメインのコースで、歩き始めてしばらくはブナの林が続き、新緑や紅葉の季節はとてもきれいです。そして、その後はオオシラビソの森が続きます。木道のある所もありますが、沢の多い場所でぬかるんだ道も多いコースです。

 尾瀬ヶ原の標高は1,400mほど。尾瀬沼は1,600mちょっとあります。標高差200m以上を登るので結構疲れます。花をみたり、きのこをみたり(けしてとったり食べたり(!)しないように…)写真を撮ったり、自分たちのペースで進みましょう。林の中を歩くので、木々の葉っぱの隙間から漏れる光の様子をみたり、下から聞こえる沢の音に癒されたりしながら歩きます。

 白砂峠は尾瀬に似つかわしくない、短いけれど急な、ごろごろとした石のある坂を登る箇所もあります。両手をついてのぼるような場面もありましたよ。ここを越えて少しすると白砂田代という湿原にでます。これまでの林のなかから出て、大きな空を眺めるととても解放感があります。

 ここまでくると沼尻まではもう少し!

 そして、眼前に尾瀬沼がみえてきます。そのきらきらした水面は頑張ってきたご褒美に感じます。

 沼尻の休憩所でお昼にしましょう。

 トイレも済ませ、もうひと頑張りです。この先は、沼山峠→尾瀬沼編を参照してください。

 一日目に7.5㎞、二日目に10㎞ちょっとを歩くので、結構へとへとですが、”やり切った!”との達成感もあった二日間でしたよ。

平らな湿原だけでない、山登り要素もふんだんなコースで、子どもたちも少し大人になったかな?

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