タレントの武井壮さんが自身のツイッターを更新し、ネット上で他者を誹謗中傷するユーザーに強い口調で批判したとの記事が話題になっています。
この投稿にMLB・シカゴカブス所属のダルビッシュ有党投手も同意するツイートを投稿しているそうです。
武井さんのネットでの誹謗中傷に対するツイートと、ダルビッシュさんのツイート、ネット中傷の現実などについてまとめてみました。
<追記あり>
12月15日放送の『サンデー・ジャポン』でも武井さんがSNS中傷について強く批判しています。
そのことも付け加えました。
武井壮 苦言 ネットの誹謗中傷に「お遊びじゃねぇぞ」
ことの発端は武井さんに仲の良い女性アスリートからこんな相談を受けたことのようです。
『こんな事なら強くならなきゃ良かった』って…。
好きで、一生懸命努力して、それこそ凡人ではわからないような苦労もしながら、結果を出してきた人が、「強くならなきゃよかった…」と思うような不幸なこと…。
その相談を受けてと思われるツイートがこちらです。
SNSはその匿名性から、自由に発言・表現できますが、それが他者を攻撃することへのハードルを大きく下げていることも事実です。
おそらく、顔を出し、実名でのコメントであれば、そんな言い方はしないだろうし、そんな言葉も使わないだろうというような罵詈雑言が並ぶこともあります。
ほかの人のコメントにさらに上乗せして暴言を綴る人もいます。
…なんとも情けない限りです。
武井壮 苦言にダルビッシュも賛同!
おそらくそんな現状に嫌気がさしていたダルビッシュさんも、武井さんのこのツイートにすぐに反応したのでしょう。
「韓国ではネットでの誹謗中傷で人が死んでいってしまっている。自分のストレス解消のために人が死んでしまう可能性も考えたほうがいい。死んでしまう人が弱いとかいう人もいるけど、誹謗中傷してる側が一方的に弱いだけ」
Jcastニュース
まさしく、そう思います。
事実、お隣の国、韓国では、ネットでの誹謗中傷が激しく、それによる自殺が後を絶ちません。
つい先日自殺してしまった、元KARAのク・ハラさんもその一人です。
ク・ハラさん自身もその整形疑惑や移籍騒動、リベンジポルノ問題などでネット上での誹謗中傷を受けてきました。
また、親友のソルリさんもネット上の誹謗中傷が理由で自殺したとされています。
とくに韓国は有名人に対してのネットでの誹謗中傷がひどく、「聖人君子でなければ芸能人になれない」のではないかというほどです。
ク・ハラさん自身、「たった一言の言葉で人を生かすことも殺すこともできる」と投稿することもあったように、他者の言葉に敏感になっていたのかもしれません。
その一挙手一投足が注目されるのは有名人なら仕方がないことでしょうが、その一つ一つをやり玉に挙げられたのでは、何度も殺されてしまいます。
人間の心はそんなに頑丈にはできていないのです。
容易に壊れてしまいます。
顔を出さない、名前を出さないところで、ありえないぐらい強い攻撃をする。
あまりに弱いからこその表現なのかもしれません。
しかし、武井さんやダルビッシュさんの言うようにそれが人を殺すこともありうることを、ネットユーザーは肝に銘じなければなりません。
武井壮 苦言 アスリートへのネット誹謗中傷
名を知られるようになると、競技とはまったく関係のないようなことで、ネット上でバッシングを受けることが、ままあります。
有名なところでは高梨沙羅さん。
ジュニアのころからスキージャンプで活躍してきましたが、成人し、ばっちりと化粧をしたり、高級車に乗っていたりといったことが報道されると、「こんなのは沙羅ちゃんじゃない」「調子に乗っている」など、ネット上で激しいバッシングを浴びました。
頭角を現した中学生の頃は、まだ幼さが残る純朴な印象。
しかし、20歳を迎えるころからメイクをし、あか抜けた印象になっていくと、世間はバッシングの標的にしていきました。
高梨沙羅さん自身は、大人になっていくにつれ、周囲から「身の回りのことや、行動、言動に気を付けなければいけない」といわれていて、その表れの一つがメイクをすることでした。
また、「メイクをすることでスイッチが入る」とも言っています。
しかしながら、世間は中学生のころの、『純朴な可愛い沙羅ちゃん』から離れることを許さなかったのです。
似たようなケースは、卓球の石川佳純さんやフィギュアスケートの浅田真央さんでもありました。
バドミントンの奥原望さんも高梨沙羅さんのバッシングの記事を引用してこのようにツイートしています。
アスリートであっても女性。
愛くるしい少女の1年1年、年を重ね、女性になっていきます。
その過程で、大人っぽく、化粧をしたり、おしゃれをしたり、恋人ができたり、持ち物が変わったりするのはごくごく自然なこと。
”ああ、沙羅ちゃんも大人になったな…”
と思えないものでしょうか。
奥原さんの言うように、アスリートであっても一女子。
女性としての楽しみやきらめきも味わえることが、人間としての尊厳が守られる一つではないのでしょうか。
武井壮 苦言にダルビッシュも賛同! 世間の声は?
ネット上での誹謗中傷を批判する武井さんやダルビッシュさんの声に対して、ネット上でも多くの意見が飛び交っています。
「 賛同します。
弱い人ほど誹謗中傷が激しいと思う。 」
「 本当にその通りだと思います 言葉の使い方からもう一度勉強すべきだと思います 全ての年代で言葉使いが悪すぎです 人をけなすことは自分のレベルの低さを知らしめてることを理解すべきだと思います 」
「 死んでしまう人が弱いとかいう人もいるけど、誹謗中傷してる側が一方的に弱いだけ。学校や職場のいじめも同じことが言えますね。いじめた側が弱い。いじめられた側も悪いとか言うけどいじめた側が100%悪いと思っています。」
「 ネットの存在によって不特定多数の顔も名前も知らない人たちからいわれのない集団リンチを受ける時代。「芸能人・有名人は批判されることも仕事のうち」という大義名分の下それが行われている。
昔ならメディアだけが一方通行的にそれを行って、一般人はその場限りの「娯楽」として周辺にいる人たちとゴシップとして楽しんでいただけだが、今は極端な話世界中の全ての人が、無秩序に自分の倫理観や正義感を振りかざして目についた獲物を攻撃しているような状況。
ネットは計り知れないほどの利便性を人間社会にもたらしたが、その副作用が今やそのプラスの部分と同量、社会に悪影響を及ぼしていると言っても過言ではない。
いずれ完全にネット上の可視化が行われて、顔も名前も全てを晒さないといけない時代が来ると思う。そうしないと各個のモラルに委ねられるだけでは、社会がネットによって破壊されてしまう。 」
などなど、ネット上での匿名での誹謗中傷に対して、多くの人は嫌悪感を抱いているようです。
その対策として、個人のモラルに頼るだけでは難しいといった意見も目立ちました。
どんどん便利になっていくネット社会に、人間ひとりひとりのモラルやスキル、人間力が追い付いていないということでしょうか。
相手が目の前に存在しないネット上での発言も、普段の、形ある人間相手に言葉を発するように、こころある対応が必要なのだと思います。
ネット上のコメントを見るひとはロボットではなく、繊細な心をもつ一人の人間だということを忘れてはいけないのです。
武井壮 『サンジャポ』でもSNS中傷を強く批判
武井壮さんは12月15日放送の『サンデー・ジャポン』でもSNS中傷について強く批判しています。
件の女性アスリートについては
「とてつもなくひどい内容の書き込みとかがすごく多かったり、直接容姿とかを揶揄(やゆ)。とてつもない、人間として本当に、こんなことを対面で人に言えることなんて絶対にないと思われる言葉が、ズラズラ並んでるわけですよ。性的な表現とかも入ってたりすることもあって。会社だったり学校だったり、公共の場でやったら一発でアウトみたいなものがあふれてるわけですよ」
デイリースポーツ
と、その相談内容を告白。
そのうえで、
「ネットだからといって、暴言を吐く、辱めるみたいなことが、当たり前のようにネットだからいいみたいに許されてるのはおかしいんじゃねえかな」
デイリースポーツ
と自身の投稿の理由を話していました。
これに対して、「表現の自由」や「悪口見るならネット見るな」との批判もあることに対して、このように反論しています。
「表現の自由ってそういうために使う言葉じゃない。悪口見るならネットを見るなもおかしい。誰かが見られる、インフラのようなもの、ネットは誰かが特別、手にしているものじゃない。一部の人が扱える、昔のインターネットとは違うから」
Sponichi Annex
この発言に、司会の爆笑問題・太田光も同意し、「顔も名前も明かさないで、表現の自由なんてあるわけない」と述べています。
武井壮 SNS中傷を批判 世間の声は?
こういった報道についてネット上ではこのような意見が出されています。
「 常識が欠落している人って、割とその辺にもいたりする。
ただ、その人達の声って今まで聞こえなかったんだよね。
今は色んな便利アイテムが増えたけど、そういった人達にも便利アイテムが普及してるので、変な使われ方をしてしまう。
便利なものは凶器にもなる。
人間は便利なものを追い求めずにはいられないので、便利アイテムの開発をやめることはない。
そして便利アイテムが世に出る度に新たな問題が出てくるんだろうね。
根本の解決は教育ってことになるんだろうけど、限界があるだろうし、難しいね。 」
「 表現の自由は人が持つ基本的な権利だと思う。自由であるなら、責任は伴わなければならない。botやその辺の匿名のよく分からない何かにそんな権利は無い。 」
「今の所無視するか報告するかしか無いです。嫌な事を思う事は皆あります。嫌味を我慢我慢できるかできないかで度量が決まります。ネットでは顔の見えない分罪の意識が弱まり気が強くなるようです。悪態をついた分己の心が貧しくなっていることに気がついていないのでしょう。 」
「 匿名だから何でもアリになる。
あまり酷い書き込みの場合は、しっかり追跡して罰するようにしないと!
こう言う輩は、どんどん取り締まってほしいです。 」
と、概ねSNS中傷に対しては批判的な意見が多く、その匿名性に問題があると思いながらも、人間性に頼るしかないところに限界を感じているようです。
人を傷つけないあり方を一人一人が考えなければならないのでしょうね。
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