関東のやま

子どもと一緒に山歩き 湿原を楽しむ!鳩待峠から歩く尾瀬ヶ原。

更新日:

 ♪夏がく~れば思い出す~♪ 尾瀬です(今は音楽の教科書に載ってないらしい…)。2007年に「尾瀬国立公園」として指定されています。

 群馬県、福島県、新潟県にまたがる日本有数の高層湿原です。北に燧ケ岳、南に至仏山と2,000m級の山に囲まれた尾瀬ヶ原、尾瀬沼は木道も整備され、季節ごとに咲く花々やその景色にいつ行っても違う発見があり、癒されるエリアです。

 入山口もたくさんあって、コース取りもお好みでいろいろな組み合わせを楽しめます。今回は子供連れでも楽しめる鳩待峠→尾瀬ヶ原、沼山峠→尾瀬沼→沼尻のコース、そして、小学校中学年以上なら大丈夫かと思われる少し頑張るコース、御池から燧裏林道を通り、見晴の山小屋で一泊、白砂峠を越えて沼尻、尾瀬沼を回って沼山峠に至るコースをお伝えしようと思います。ちょっと長くなりそうなので、それぞれのコースごとにお伝えしますね。

PART1:鳩待峠から行く尾瀬ヶ原散策

 関東方面から向かうと関越自動車道・沼田ICからアクセスする鳩待峠からの入山が一番人気です。環境保全のためのマイカー規制があるので、その期間は戸倉の駐車場に車を止め、乗り合いバスなどで鳩待峠に向かいましょう。

鳩待峠から山ノ鼻

 鳩待峠に着くと、休憩所があります。トイレや身支度を整えて、さぁ、出発です。入山口には種子落としのマットがあるので、靴底をよく拭いましょう。外部の植物の種子などを持ち込まないためのものです。

 さて、入山口を入っていくと、砂利の坂道を下っていきます。すぐに石の転がっている木の階段になります。結構傾斜がきついので気をつけて。階段はやがて木の階段に変わり、その後木道になります。傾斜があるので、滑り止めの桟が打ち付けられています。これだけ下っていくということは…、帰りはのぼりが続くということですね(笑)。気合をいれて、帰ってきましょう。

 木道を降りていくと、沢の音が大きくなってきます。ヨセ橋を渡ると木道も緩やかになってきます。テンマ沢の橋を渡ると川上川の流れも見えるようになり、やがて林が切れてきます。川上橋を渡ると山小屋が見え、山ノ鼻に到着です。

 山ノ鼻にはビジターセンターがあります。尾瀬沼東岸にもありますが、ここではその時にどんな植物がどこで咲いているかや、オコジョやクマの情報などがオンタイムで表示されています。立ち寄って情報を仕入れておきましょう。

濡れた木道の危険

 木道は乾いていると歩きやすいのですが、濡れていると恐ろしく滑ります。スニーカーはよく滑ります(笑)。そして、転ぶと痛いです。 階段で転ぶとすっごく痛いです(←経験済み(笑))。なので、木道を歩くのには、お子さんでも登山靴がおすすめです。 雨でぬれているときは十分気を付けて。とくに樹林帯の木道はなかなか乾かないので慎重にすすみましょう。

 

山ノ鼻から竜宮十字路

 山ノ鼻の山小屋群を背に歩き出すと、いよいよ尾瀬ヶ原が眼前に広がります。前方に燧ケ岳の雄姿と大きく広がる湿原、その中を緩やかに曲線を描いて伸びる木道。ガイドブックやポスターでよく見る風景です。

 さぁ、この景色のなかの一員になりますよ!

歩き出すと木道のすぐそばにも季節ごとにいろいろな植物がみられます。ミズバショウやタテヤマリンドウ、ヒオウギアヤメ…。尾瀬を彩るのはミズバショウばかりではないことがよくわかります。

紅葉したヒツジグサ

 この辺りは上田代と呼ばれ、木道の周辺に大小さまざまな池塘がみられます。この池塘もいろいろな水生植物の宝庫です。ナガノモウセンゴケやヒツジグサ、オゼコウホネなどなど。初めて聞く名前もあるでしょう。

 大きな池塘がでてくると、浮島があったり、逆さ燧がみられたりとひとつひとつがユニークです。逆さ燧は小波もたたないくらい風のない日で、よく晴れていて、大きめの池塘で…と条件が重ならないと見れません。見ることができたらラッキーかも。

 尾瀬ヶ原を進み、前方の拠水林に囲まれた竜宮小屋とのほぼ中間くらいに牛首分岐があります。右手の木道は竜宮小屋のある竜宮十字路へ、左へ曲がる木道はヨッピ橋を経て下田代へ続きます。ここは竜宮十字路の方へ進みましょう。

 この辺りは中田代と呼ばれ、尾瀬ヶ原の中でも最も多くの種類の花が咲く場所だそうですよ。ミズバショウに始まり、リュウキンカ、ヒメシャクナゲ、ミツガシワ、キンコウカ、そしてワタスゲの白い綿毛に包まれた後は夏を知らせるニッコウキスゲ。どの季節にいってもなにかしらみられるってことですね。

 さて、竜宮十字路につくとベンチのあるテラスがあり、その先に竜宮小屋があります。休憩所や水場、トイレもあるので、ここで休憩、お昼にしましょう。

 小屋の裏手には拠水林が広がります。ここにも、クガイソウやショウキランなど珍しい花が見られます。沼尻川を渡ると、群馬県から福島県に。

ヨッピ橋。

 日帰りであれば、ここからヨッピ橋の方へまわり牛首分岐に戻り、山ノ鼻へと帰っていきましょう。ヨッピ橋はちょっと風情のある吊り橋です。このそばにある大きな池塘も「逆さ燧」がみられることが多いそうですよ。そして、帰り道。山ノ鼻から鳩待峠までは登りになるので、帰りの分の体力を残しておきましょうね。

 このコースだと片道8㎞弱、ヨッピ橋を経由するともう少し多くなり、往復で16.3㎞ほどになります。小学校中学年以降だと日帰りでも大丈夫かと思いますが、年少のお子さんと一緒の時はその体力に応じて変えてくださいね。たとえば、途中で戻ったり、尾瀬ヶ原に出ずに「研究見本園」を見たり、あるいは思い切って竜宮小屋あたりに泊まったり。尾瀬はいろいろな楽しみ方を許してくれる包容力のある場所です。

竜宮の水の不思議

 中田代にある池塘のなかには、水が流れ込んでいるのに流れ出る口のない池塘や、その反対に流れ出ていく一方の池塘があります。だからといって、水があふれたり池塘の水がなくなったりすることはないんです。昔の人はこの現象を「竜宮までつながっているのではないか」と考えて「竜宮の水」と呼んだんですって。これは「竜宮カルスト」と呼ばれ、竜宮の水はお互い地下水路でつながっていて、そこを水が出入りしているそうですよ。

尾瀬研究見本園

 至仏山の山裾の湿原に、尾瀬に咲くすべての湿原植物を移植してつくられた尾瀬研究見本園があります。全長2㎞ほどの木道がめぐらされ、一周約一時間で周遊できます。

 ミズバショウやワタスゲのほかにもコバイケイソウやタテヤマリンドウ、そして、湿原の北側にはカキツバタ、ヒオウギアヤメが咲き誇ります。その後はニッコウキスゲ、コオニユリ、オゼミズギクと咲き、エゾリンドウが最後に花をつけます。その後9月半ば過ぎには草紅葉に染まります。尾瀬が「ぎゅっ」と詰まった場所です。

お昼の楽しみ

 山歩きをするときの楽しみは、花や景色をめでるのももちろんですが、子どもたちにとってはやっぱり「山ごはん」。

 お手軽にコンビニのおにぎりやお弁当でもいいけれど、ひと工夫するだけで、とても楽しいひと時になります。

 クッカーやバーナーを持って行ってお湯を沸かし、温かい飲み物(大人ならみそ汁やコーヒー、お子さんにはコーンスープやココアなど)を飲むだけでも子供たちは興奮しますよ。

きのこスープ作ってます。

 我が家の話ですけれど、長男は結構な偏食で、しかも体力もなく、疲れると食事を摂ることさえ嫌になってしまうような子供でしたが、山ご飯を作ることをとても楽しみにしていました。たとえば、ホットサンドを作るために自らホットサンドメーカーを背負って行ったり(鉄製だし取っ手も長いので持ち運ぶのにはちょい不便)、コーンスープやココアを飲むためにミネラルウォーターや燃料を持ってくれたり…。荷物は増えますが、子どものやる気と笑顔には負けます(笑)。

さて、次回は沼山峠から歩く尾瀬沼のコースを紹介しますね。

 

-関東のやま

Copyright© かのんぶろぐ , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.