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英語民間試験 来年度延期 導入は2024年度以降か 大学入学共通テスト

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来年度の大学入試制度改革の目玉だった英語民間試験の導入が延期になる見通しとの報道がありました。

 

yahoo!ニュースによると… 

大学入試改革に伴い、2020年度から始まる大学入学共通テストで導入される予定だった英語民間試験について、文部科学省が2020年4月からの実施を見送る方針を固めたことを、新聞各紙などが報じている。関係者への取材でわかったとしている。

 英語民間試験で利用できるのは当初「ケンブリッジ英語検定、実用英語技能検定(英検)、GTECIELTS、TEAP、TEAP CBT、TOEFL iBT、TOEIC L&R/TOEIC S&W」の8種類だったが、このうちTOEICは今年7月の時点で「協定書締結に向けた大学入試センターとの協議が完了しておらず、システム運用開始において責任をもって各種対応を進めていくことが困難と判断」したとして、撤退を発表した。

 大学入試英語成績提供システムをめぐる混迷が続くなか、本日11月1日には受験に必要な共通IDの申し込み受付が始まる予定で、懸念の声が高まっていた。

リセマム

 

 

つい先日は、萩生田文部科学大臣の「身の丈」発言が問題になったばかり。

試験まで半年を切ったこのタイミングでの導入延期の発表のわけを調べてみました。 

 

 

英語民間試験 来年度延期 大学入試改革って?

 

そもそも、大学入試改革って何でしょう?

 

グローバル化や技術革新が進み、社会で求められる力も変化してきている現代に合わせ、新たな時代を切り開く人材育成を見据えて「大学入学共通テスト」が2020年から始まります。

 

これまでの「知識の習得を中心とした教育」から「『学力の3要素』に重きを置いた教育」が求められるのです。 

 

『学力の3要素』とは…

「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性をもって多様な人々と協同して学ぶ態度」だそうで、知識や技能の習得をもとに、「自分で考え、判断し、実際の社会で役立てる力」が大切な力であるといっています。

 

そのための第一弾が「大学入学共通テスト」の開始なわけですね。

その後、次の時代のための学習指導要領の策定・実施となって、「大切な力」をはぐくむ教育をしていこうというわけです。

 

ところが、今回、その「大学入学共通テスト」の目玉でもある「英語民間試験導入」が延期されることになりそうなのです。

 

導入されると発表された時から、いろいろな議論を呼んできた英語の民間試験導入。

 

どんな問題があったのでしょうか。

 

 

英語民間試験 来年度延期 導入にあたっての問題点は?

 

去る9月10日、全国高等学校長協会は文部科学大臣あてに要望書を出しています。

 

その中身は「受験開始が迫っているにもかかわらず、民間検定試験の導入は全く先が見えない状況。延期もしくは制度の見直しを求める」というもの。

実は、これは7月に続き2回目とのこと。

 

なぜ、そのような要望書の提出に至ったのでしょうか。

 

高校側が危惧しているのは主に以下の3点のようです。

 

①各試験の実施日程や場所など詳細が明らかになっていない。

 英検やベネッセでは各都道府県に1か所以上の試験場所を設けるとしていましたが、英検では申込者の状況を見て、会場を検討するとしており、どの試験の時に、どこに会場があるかわからない状況です。

そのほかの試験については、地方では実施していない試験もあります。

 

②活用方法を明らかにしていない大学が多数ある。

 たとえば、東京大学は一定のレベルを出願要件としていますが、それは高校による証明書でも良いとしていて、必ずしも民間試験を受けることはありません。

北海道大学や東北大学は少なくとも20年度は「利用しない」方針としていました。

利用する大学の中でも「出願資格」とするのか「加点」とするのかはまちまちです。

 

③試験の公平性・公正性に対する不信が払拭されていない。

 ①で述べたように、試験によっては遠隔地でしか行われず、当該試験を受けられなかったり、受験のために多額の交通費がかかったりします。

また、受験料も試験によりまちまちで、高いものでは1回2万円を超えるものもあります(ちなみにセンター試験は全科目受けても1万5千円くらい?)。

そもそも、求める知識・技能の違う検定試験をどのように同じ土俵にのせるのか、意見が分かれていました。 

 

これまでの日本の英語については、とかく、readingとwriteingに主眼が置かれ、listening・speakingについては測る指標がなかったために、民間の検定試験を導入しようとしたようですが、上記のような問題が不満の種となっていたわけです。

 

 そこにきて、先日の萩生田大臣の「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」という発言。

 

ただでさえ、不公平感があるところに、この発言は、受験する高校生やその保護者、高校側に大きな不信感を抱かせました。

 

後日、大臣は謝罪して、その発言を撤回しましたが、後の祭りですね。

一度口から出た言葉は、聞かなかったことにはできません。

 

野党のみならず、与党内からも批判を受けることになりました。

 

その萩生田大臣の発言が直接、この英語民間試験導入延期につながったのかはわかりませんが、来年度の受験生の皆さんは一安心といったところなのでしょうか。

 

とはいえ、予定では今日11月1日から、民間試験を受けるにあたっての「共通ID(個人の成績情報を一元管理するため大学入試センターが発行するID)」の手続きが始まることになっていました。

 

50万人にのぼるといわれる受験生とその保護者や教育関係の皆さんはずいぶんと振り回されていることになります。

 

 

英語民間試験 来年度延期 大学入学共通テスト その他の教科は?

 

センター試験に変わる「大学入学共通テスト」は前述したとおり、「3つの大切な力」を測るもので、英語以外の教科の変更点もあります。

 

数学・国語ではこれまでのマークシート方式だけでなく、記述式の問題も出されます。

 

 

そこで、その採点についても議論になっていますね。

 

やはり「公平性」の問題です。

 

記述式の場合、その採点基準をもとに採点されるのですが、採点するのは人間です。

 

2017年のプレテストではベネッセグループが請け負いましたが、実際の採点作業を行ったのは、大学生や大学院生のアルバイトです。

本番の試験でもベネッセグループが落札しており、1万人規模のアルバイトを雇って採点に当たるようですが、規模が大きくなればなるほど、その公平性を担保するのは難しくなります。

 

加えて、このプレテストでは、自己採点の不一致が3割にもなったそうです。

 

受験生は自己採点をもとに最終的な出願先を決めるので、自分の本当の得点がわからないまま出願するとなれば、それはギャンブルに過ぎません。

 

また、なかには難しすぎて完全正答率がわずか0.7%といった問題もあったようです・

 

そして、この国語の記述式の問題もマーク式の200点とは別に付記される形になるために、この結果をどう合否判定に使用するかも大学によって幅があるというのです。

 

だったら、わざわざ共通テストで記述式の問題をやる意味があるのか疑問です。

 

大学側が必要と思えば2次試験でテストすれば済むことではないですか。

 

なんともまぁ、突っ込みどころ満載の改革なのです。

 

 

とはいえ、最高学府である大学への入学選抜ですから、いろいろと議論を重ねるのは必要なことです。

 

国により、その入学・卒業の基準は違うようで、日本や韓国のように入学試験に重きを置く国もあれば、ヨーロッパ諸国のように広く門戸を開けてはいても、その後の勉学は厳しいといった国もあり(最高学府なので、勉強することは当然ですが)ます。

 

センター試験の前身である共通一次試験は1979年の施行ですが、それまでに実に7回、延期されたそうです。

 

受験を希望する学生さんたちが、不利な扱いを受けることのないよう、しっかりと取り組んでほしいと思います。

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